こんにちは。小野ひかりです。
「御朱印ガール」「寺社ガール」という言葉を聞くほど、神社仏閣巡り好きな若い女性が増えています。
全国の神社数は約8万5千社、寺の数は約7万ヶ寺存在しており、全国に約5万店あるコンビニの数よりも多いそうです。
これだけ日本に多い神社とお寺ですが、そもそも神社とお寺は、どこが違うんでしょうか。
今回は、神社とお寺の違いに迫ってみたいと思います。
神社とお寺の違い
私は、神社には神、お寺には仏が祀(まつ)られているところで、なんとなく役割は一緒だろうと思っていました。
ところが仏教を学んで、実は神社とお寺は全く役割が違うことを学びました。
神社は日本神道に基づいた施設で、古来から日本人が崇拝していた八百万の神が祀(まつ)られ、祈る施設です。
一方、お寺は仏教に基づいた施設で、仏様が教えられた仏教を聞く場所として建立された場所です。
そうなると、神社とお寺の違いを知るには、日本神道の神と仏教の仏の違いをよく知らなければなりませんね。
神とは
ここでややこしいのは、「神」といった場合、大きく分けて3通りの意味で使われることです。
1.キリスト教やイスラム教、ユダヤ教などの一神教の神
2.自然現象などの信仰や畏怖の対象である神々、死んだ人間
3.仏教でいわれる神
今回の神社に関係する「神」とは、「2」にあたります。
古来から日本人は、自然のもの全てには神が宿っていると信じ、「八百万(やおろず)の神」が存在すると考えていました。
山の神様、海の神様、森の神様など、あらゆるものが神とされています。
また日本では、亡くなった有名な人や皇族などを神格化して神と考える人が多いです。
日光東照宮の徳川家康、学問の神として有名な太宰府天満宮の菅原道真などはよく知られています。
この八百万の神と、キリスト教やイスラム教などの宗教でいわれる神とは、同じ「神」という名称でも、中身は全く異なります。
そして神社とは、日本神道でいうところの神、いわゆる八百万の神や亡くなった人の霊魂が住んでいる場所であり、それらの神を祭祀する場所です。
仏とは
では「仏」とは、どういう存在なのでしょうか。
仏といえば、死んだ人のことだと思っている人が多いのではないでしょうか。
亡くなった人に対して、「成仏した」とか、「仏様のような顔をしている」と、よく言われます。
しかし、「仏」が死んだ人のことだとしたら、仏教は死んだ人の教え、ということになってしまいます。
死んだ人が教えを説けるはずがありませんので、「仏」は死んだ人というのは間違いなのです。
「仏」とは本来、さとりの名前のことです。
さとりとは、低いさとりから高いさとりまで全部で52の位(くらい)があります。
それぞれのさとりの位に名前がついており、その最高の位である52段目の位を「仏覚(ぶっかく)」といわれます。
この最高のさとりを開かれた方を、仏教で「仏」とか「仏様」といわれるのです。
では「さとり」とは何かといいますと、すべての人が本当の幸せになれる大宇宙の真理のことです。
山登りでいえば、一合目、二合目と登っていくほど、だんだん見渡せる景色が広がるように、さとりを高く開くほど、大宇宙の真理がわかります。
山の頂上に到達したとき、辺り一面を見渡すことができるように、最高の悟りである仏の悟りに到達したときに、大宇宙の真理すべてを体得するのです。
その最高の悟りを開いた方を「仏」というのです。
では今日までで仏の悟りを開かれた方はというと、2600年前にインドに現われたお釈迦さましかおられません。
これを”釈迦の前に仏なし 釈迦の後に仏なし”と言われます。
地球上で仏のさとりを開かれた唯一の方がお釈迦様です。
お釈迦さまは35歳で仏の悟りを開かれ、80歳でお亡くなりになられるまで45年間、私たちが本当の幸せになれる真理を説き明かされました。
それが仏教です。
お寺は、そのお釈迦さまが説かれた教え、仏教を聞く場所なのです。
まとめ
日本では、山や海など自然のすべてを神々、また特定の亡くなった人を「神」と呼んでいます。
「仏」とは最高のさとりを開かれた方、そして多くの人々に広められた方のことをいいます
神と仏は根本的に異なりますので、神社とお寺の役割は全く違うのです。
神と仏についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
→仏教と日本神道とは、どこがどう違うのか、教義の本質的な違いを徹底解説
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