最近、仏教講座で「因果の道理」というテーマの話を聞き、そこで学んだ内容にとても感動したので、講座の中にあった二つの事例をシェアさせていただきます。
うまくいかない原因を探せ
「どうしてこんなにも商売がうまくいかないのだろう」と、一人頭を抱えることがあります。
「人一倍、こんなに働いているのに」
「こんなに近所にチラシをまいて宣伝しているのに」
あれもこれも他の店と比べても、明らかに自分の方がやっている。
・・・なのに結果が出ない。
「世の中、どうなっているのか、理不尽だ、納得がいかない」と腹も立ってくるところです。
しかしこんな時こそ、「因果の道理」をあきらかに受け止めなければならない時だと聞きました。
「因果の道理」とは、仏教の根幹をなす教えで、「すべてのことには必ず原因がある。
原因なしにあらわれる結果は万に一つもない」という教えです。
【まかぬ種は生えないし、まいた種は必ず生える】ということですね。
厳粛な因果の道理に狂いはありません。
【商売がうまくいかない】というのは結果です。
それには必ず原因があるのです。
他の店は繁盛してるのに自分の店は繁盛していない、ということは、他の店にはない原因が自分の店にあるということです。
繁盛しない原因が、必ず自分の店にはあるのです。
その原因をハッキリと知り、それを取り除けば、店は必ず繁盛します。
しかしその原因究明には、痛みが伴います。
だからやる人がいない。
他の店にはできていて、自分の店にはできていない欠点を凝視することになりますから、痛みを伴います。
他の店よりやっている、と自負していたならなおさら、つらいでしょう。
しかしその欠点を克服すれば、必ずや他の店のように繁盛するようになるのです。
人一倍働いて、近所にチラシをまいて宣伝しているという点においては、他の店と比べてもできているのですから、他の店より繁盛することでしょう。
ひがんだり、腐ったりせずに
子供のころからよく知っていて、今年大学生になった青年がいます。
先日、晴れて入学式を終えて挨拶に来ましたので、お祝いに一緒に食事をしました。
浪人してまで入りたかった大学なので、とても喜んでいました。
その時、彼から聞いた話です。
その彼と同じ予備校に通っていた女の子の友人が第一志望、第二志望落ちて、不本意ながら滑り止め大学に行くことになったそうです。
彼が言うには、コツコツ勉強して成績もよかった彼女が、ほとんど勉強しなかった他の浪人生と同じ大学になってしまったことを理不尽に感じる、とのことでした。
話をしていた彼以上に、その彼女はつらいことでしょう。
しかしここで彼女に言いたいのは【その過去の勉強が決して無駄になったのではない】ということです。
必ず生かされる時があるからです。
1の種をまけば、1の結果が返ってくる。
5の種をまけば、5の結果が返ってくる。
10の種をまけば、10の結果が返ってくる。
まいた種に応じた結果が返ってくるのが、因果の道理です。
まいた種まきが違うのに結果は同じ、そんなことは絶対にない。
と説かれています。
1の種しかまいていないのに、10の結果が得られないと怒っている人が世の中にどれだけいることでしょう。
逆に10の種をまいているのに、1の結果しか来ない人は、幸せな人です。
あとの9、貯金しているのですから、あとで必ず報われます。
「過去の種 花を開いて 実を結ぶ」
ここでその彼女には、うらみやひがみが起きてくる自分の心と戦って、どの境遇でも、良い種まきを続けてほしいと思います。
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