こんにちは。小野ひかりです。
仏教学び歴7年。仏教を聞いてから自分は「こういう人間なんだ」と知り、自分が大事にしたい人ややりたい仕事がハッキリしました。
人生を変えるには、自分の死を見つめることが大事
「人生を変えたい」と思った時に、大切な視点は「自分の死」を見つめることです。
自分の人生をどう生きようかと悩んでいるのに死を考えるなんて、と思う方もあるかもしれません。
しかし、「自分の死」を考えることこそが「人生を変える」スタート地点なのです。
このことについて、2016年年間ベストセラー1位に選ばれた本『君の膵臓を食べたい』から
掘り下げてお話したいと思います。
「死を見つめる」と「人生を生かす」の密接な関係
主人公の女子高校生、桜良(さくら)は膵臓の病気で余命あと1年ですが、一緒にいる人を楽しませるユーモアがあり、その明るい彼女の姿が小説にあたたかい雰囲気をもたらしてくれます。
彼女も病気が見つかる前は、ファッションや恋、人間関係や勉強で忙しい普通の女子高生でした。
それが余命1年と知らされて、彼女の思いは一変します。
「普通に生きている皆はさ、生きるとか死ぬとかにあんまり興味ないでしょ。
(中略)
死に直面して良かったことといえば、毎日生きてるって思って生きるようになった」
毎日、「生きる」ことを実感するようになります。
「生きている」ことを深く受け止める彼女の気持ちが、彼女の日記の中のこんな言葉にも表れていました。
桜が散るのを見てせつなくなるって、よく言うけど、
私は咲くのを見てもせつなくなる。
あと何回この桜を見れるかなって計算しちゃうから。
だけれどもいいこともある。
きっと私が見てる桜は同年代の誰が見る桜よりも綺麗に見えるはずだ。
桜良は、残された人生、何に使うか真剣に考え、「これはする」と自分の人生と約束し、一つ一つ実行していきます。
・「病気になった自分の運命を恨まずに生きよう」と決める
・死ぬ前にやりたいことリストを作り、実行する
・親友や家族とありのままの自分でいて、日常を過ごす
・家族や親友に遺書を書く など……
死を考えることは暗く沈むことではなく、時間、会う人、能力など自分の人生のすべてが大切なものになり、生かせるようになるために大事なことなのだと彼女の姿を通して知らされます。
まとめ
仏教にも「無常を観ずるは菩提心の一なり」という言葉があります。
死を見つめることは、人生を本当に輝かせる第一歩だ、と説かれています。
元気なうちは、「生きている」とかみしめて生きることはほとんどなく、「私の人生は毎日が同じことの繰り返しだな」とため息ついたり、「つまんないな、さっさと生きてさっさと死にたい」くらいに虚(むな)しさを抱えています。
それが死を真面目に見つめると一日一日に価値があり、大切なものに思うようになり、本当に望んでいることに集中するようになるのです。
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