
こんにちは。小野ひかりです。
最近「デス・カフェ 」「デス・コミュニケーション」という言葉を聞きました。
訳すと「死の喫茶店」
ちょっとホラーっぽい響きがありますが、そんな怖いものではありません。
死を語り合う「デス・カフェ」
「デス・カフェ」とは、お茶やスイーツを食べながらリラックスした雰囲気で、死について語り合うカフェのことです。スイス発祥で、今世界の約60カ国で話題を呼んでいます。
「死」については、家族や近しい友人だとかえって話しづらく、語り合うのがタブーな場合もあります。
そこで初対面同士が「デス・カフェ」で「死」に関する様々なテーマを語り合うことで、気づきや生き方を考えるキッカケとなるとのことで人気です。
私は仏教を学んでいるからだと思いますが、死について夫や友人と語り合うことは多い方だと思います。しかし仏教を聞く前は、死を語り合うのは皆無でした。
生きている者にとって、「死」は未知。
祖母を家族全員で自宅で看取りましたが、そんな時でさえ「祖母が亡くなった」という事実だけは受け入れたものの、「死」とは何か、死について考えることは避けていたと思います。
死について考えても暗くなるだけだと思っていたからです。
しかし仏教では、「死をまじめに考えることはいらずらに暗く沈むことではなく、今の生を日輪よりも明るくする第一歩である」と説かれています。
無常を観ずるは菩提心の一なり
(「無常(死)」をありのままに見つめることは、 菩提心(幸せ)のはじまり)
とあります。
なぜ死を考えることが幸せにつながるのでしょうか。
「死」とは何か

仏教では、なぜ「死を見つめる」「死を考える」ことが幸せのはじまりだと教えられているのか、それは仏教で教えられている「『死』とは何か」を知るとわかってきます。
「死」は私たちにとって唯一確実な未来
「死」は私たちにとって100%確実な未来です。
科学や医学の進歩により、人生100年時代に突入すると言われていますが、たとえ100歳まで生きることができたとしても、死ななくなったわけではありません。すべての人が「いつかは最期を迎える日がくる」という未来は、古代から現代まで変わっていません。
仏教で「死を考える」ことが大事であると強調されている理由の一つは、私たちにとって「死」は唯一確実な未来だからです。
「死」は日常の思わぬところで待っている
自分の一生の終え方を自分で選びたいものですが、突然やってくるのが死です。
仏教に「老少不定」という言葉があります。
「老少不定」(ろうしょうふじょう)とは、老いも若きも定まらず、ということで、老いた人が先に死に、若い人が後になるとは決まっていない、という意味です。
死ぬのは老いた人からとは限りません。
死ぬ順番と年齢は明確ではありません。
私たちは健康なときは、平均寿命までは生きるつもりでいて、現在が30才ならあと50年はあると思っています。
しかしそれはあてになるでしょうか。
「老少不定」であることは毎日のニュースからも知らされます。
震災、通り魔、交通事故、病気・・・
若い人でも、いつ死を迎えることやら分かりません。
2016年に『君の膵臓を食べたい』がベストセラーとなりました。
高校生の主人公桜良は膵臓の病気で余命1年と宣告されます。
それまでの桜はファッションやボーイフレンドのことを友達と話すのが楽しみの、普通の高校生でした。
しかし桜良は10代にして、「死」が迫ってきて人生が一変します。
続きはこちらの記事をお読みください。
普段は死はまだ先の向こう側にあると思っていますが、実は日常の中に潜んでいて、突然やってくるかもしれないのです。
死んだらどうなるか
私が仏教の死生観に驚いたのは「死んだらどうなるか」という死後の世界まで問題にしていることでした。
仏教では「死んだらどうなるか」ハッキリしていないから、生きている今の心も暗いと教えられています。
これを「生死(しょうじ)の一大事」といわれます。
東日本大震災で被災したある人がこんなことを言われていました。
愛する人や近しい人が亡くなって永遠に別れなければならないのは、悲しいことですが、それ以上に考えさせられたのは、もし自分が死んでいたらどうなっていたんだろう、ということでした。
ただただ怖い気持ちなのです。
死んだら、自分は一体どうなってしまうのか、考え込んでしまいました。
今も死にまつわる恐怖を遠ざけておきたい。
でもあの震災で、私は死が日常に隠れていることを知ってしまいました。
100%確実な未来でありながら、誰も「死んだらどうなるか」を考えようとはしませんが、この方は震災体験を通して、死が身近な問題であり、しかも一大事であることを知らされたのです。
この方だけではありません。
死は否応なしに襲いかかる万人の一大事です。
この『生死の一大事』の解決一つ説かれているのが仏教です。
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